あなたが普段食べている野菜たち。
スーパーに並んでいるのは馴染みある光景だけども、どんなところで、どんな人が作っているかを見たことはありますか。
買うときには「モノ」として扱われる野菜ですが、農家さんが種から時間をかけて育って、一つ一つを手作業で収穫し、出荷していくという工程を経て、あなたの手元に届きます。
本講座では、福井県の山里で、トマトやキュウリを中心に、数種類の野菜を作る農家の田中さんの暮らしにおじゃましていきます。田中さんは僕たち玉村屋のスタッフもよく遊びに行く農家さん。これまでも数多くのゲストをご案内しているイチオシの訪問先。僕たちは愛情をこめて”彦さん”とお呼びしています。
そんな玉村屋スタッフのおじいちゃん的存在の彦さんに、どのような想いやこだわりで野菜を作っているのか、農家さんの一年間の過ごし方、なぜ農業をやっているのかなどを聞いてみませんか。農家歴20年以上、人生80年以上の彦さんから出てくる言葉の数々は、これからの「野菜」の見方が変わり、より美味しく食べられるだけではなく、これからの変化の時代を生きていくあなたの生き方のヒントになるかもしれません。
この講座をおすすめしたい人
☑ 自分が食べている野菜がどのように作られているか気になる。
☑ 子どもの食育に関わっているのに、自分が食べ物を作っているところを見たことがない。
☑ 調理の仕事や飲食店を経営していて、素材の仕入先を探している。
☑ 栄養士になるから、栄養のもとになる野菜のことを興味を持ってもらえるように伝えたい。
スケジュール
★ 1日目
13:30 地域まるっと体感宿 玉村屋集合
~今回の講座で学びたいことの確認~
~玉村屋が位置する南越前町の紹介など~
13:50 彦さんのビニールハウスへ移動
14:00 彦さんと一緒に農作業
17:00 終了 *希望者は温泉(別途650円/火曜定休日)へ送迎
17:30 夕食づくり
*時期が良ければ、彦さんがつくった野菜を使って夕食
*夕食後は玉村屋スタッフがこの日感じたことを言語化したり、まとめることをお手伝いします。自分ひとりでは出てこなかった自分自身の考えが、誰かに聞いてもらうことで整理されていくことでしょう。
★ 2日目
~出発前に、朝食~
8:50 彦さんのビニールハウスへ移動
9:00 彦さんと一緒に農作業
~前日夜に自分の気づきなどを整理した上で、聞いてみたいこと、話してみたいことを伝えてみましょう
11:30 農作業終了&ふりかえり
12:00 解散(JR今庄駅)
*時期によっては早朝から農作業へ参加することもできます。
*作業内容は種植えや剪定、芽かき、収穫など、その日に彦さんがする作業を一緒にさせてもらいます。
講師紹介
田中彦治郎さん
福井県南越前町古木に生まれ育つ。60歳までは建築会社の事務として会社員生活。
もともと田中家が田んぼを所有していたので、幼き頃は兄妹で親の田んぼ仕事を手伝わされたとか。
定年退職をしたのを機に田んぼを畑に変え、ビニールハウスを建てる。
(田んぼと畑は同じように思えるのですが、必要とされる土が全く異なり、変えるのはすごく大変なことなのです。)
当時「この地域では(気候的に)絶対に作れない」と言われまくったトマトの栽培に挑戦。今やリピーター続出の美味しいトマトに。
従来は形が悪かったり、傷がついているという理由で破棄していたトマトを、3年前からジュースに加工して販売。1本1000円弱でも売り切れる人気商品に。
僕が7年前に、地域おこし協力隊として、この地域に移住するかどうかを考えて、下見に来たときにお会いしたのが彦さん。当時、協力隊の先輩もよくお世話になっている方でした。この方にお会いして「この地域なら住民の方も受け入れてくれそう」と感じて決めることができたので、彦さんに出会わなかったら玉村屋もできていなかったと思います。だから、ぜひあなたにも会っていただきたいです!
参加者の声
山口 紗世さん
農業体験を通して私の「栄養士として」そして「人として」のこれからの人生に新しい視点を持つことができました。
もともと食育を行う職につくことを中学生から目指していました。大学に入り、2回生の時、食育をする立場であるのならば、食が生まれるその瞬間を自分の目で見てみたいという思いが生まれました。その時に地域おこし協力隊をしていた中谷さんに彦さんを紹介していただき、畑で1週間体験をさせていただきました。今思うと中谷さんが知り合いでよかったし、知り合わせてくれた母親にも感謝です。
彦さんの畑での1週間は、野菜(その季節はきゅうりが主)の収穫、仕分、袋詰め、出荷(市場や道の駅など)、畑の新しい土の運搬など、本当にたくさんのことを経験させていただきました。実際に彦さんの畑で収穫したきゅうりを給食で使っている小学校にも行かせていただき、お話を聞かせていただきこともできました。
実際に経験して一番に感じたことが、食べると「命をいただく」ということです。「いやいや常識やろと何をいまさら~」と思いますが、それまでの私は、言葉ではわかっているものの、食べるときに何か思いをもって食べていたかと聞かれるとそんなことはありませんでした。さらに言うならば、命をいただいているという感覚もあまりわからず、「食を通して子どもの感謝の心を育てたい!」なんて意気込んできました。
畑にいる野菜たちはみんな生きていました。切れば、切り口から水が出てくる。収穫の時にちょうどいい大きさのきゅうりを見落としていたら、次の日には巨大きゅうりに大成長している。きゅうりのつるを切るときには、成長点を切ってしまい、彦さん怒られたこともありました。でも一つの命を預かっていたわけですから、それも当然のことです。さらにはその命の中には、生産者のたくさんの愛も存在しているのです。
命あるものをいただく、そんな当たり前のようでなかなか意識することのない、でもとても大切なことを自分の目で見て、体で感じて、学ぶことができました。
「命あるものをいただく」これは、畑での経験を通し、食育をする立場としての私の大きな一本の柱となっています。
食べることを通して、健康的に生きていくだけではなく、人間的によく生きていけるよう、食育をしていきたいとおもっています。一週間でしたが、体験した私にしか話せないことがある、伝えられないものがあると思っています。畑でお仕事させてもらったことは、私の栄養士の人生の根っこの部分を育ててくれたそんな大切な時間でした。
そして、南越前町というあの場所は、ありのままの自分でいられるかけがえのない場所となりました。畑での経験だけでなく、色々な人との出会いをくださいました。いろいろなことに挑戦をしている面白い人たちがたくさんいるから、とってもワクワクします。あの場所に行けばいつもがんばろと思って帰ってくることができます。今まで自分が生きてきた世界とは全然違うけど、ふとした時に思い出す帰りたい、会いたいと思う人がいるそんな素敵な場所になりました。
この文章を書いていると、みなさんに会いたくなってきました。またそちらに帰ります。
講座基本情報
開催時期:年中
日程:1泊2日
参加費(税込):
11,500円(ひとりあたり)/5人グループ
13,500円(ひとりあたり)/4人グループ
16,000円(ひとりあたり)/3人グループ
22,000円(ひとりあたり)/2人グループ
39,000円(ひとりあたり)/1人
→参加費に含まれるもの:宿泊費(1泊分)、プログラム費、食材費(1日目夕食、2日目朝食)、保険料
*6人以上はご相談ください