【イベントレポート】今庄宿と木ノ本宿、昔の旅人を想いながら、歩き旅とは?

 

9月29日開催
宿場コネクト
イベントレポート

 

旅を支えた宿場町と街道

歴史を遡った江戸時代。北陸と京や江戸の都を結んだ街道が北国街道と呼ばれ、
長野県追分で中山道から分岐し、新潟から富山、石川を通り福井へとつながっていました。
その宿場町のひとつで、北陸を通った旅人が必ずと言っていいほど利用したのが、福井県南越前町にある今庄宿です。
険しい峠を背に位置する今庄宿は、北陸と都を結ぶ峠の準備拠点として栄え、幕末の記録では旅籠屋55軒、茶屋15軒、酒屋15軒があったとされています。今庄宿を出た旅人が、都に向かうために越えた峠は3ルート。
一つは比較的緩やかだが、距離が長い山中峠。歴史が最も古く、古代から歩かれた道。後に鉄道が通ったルートとして知られています。次に、木の芽峠。今はスキー場ができており、道が整備されていますが、昔は大変な山越えだったのでしょう。山中峠、木の芽峠は敦賀に抜けて、湖西を抜けるルートとなっています。
そして、最後に栃ノ木峠。山頂にある大きな栃木は樹齢500年とも言われる巨木です。このルートは木ノ本へ抜けるルートで最も新しくできた道です。

峠を挟んだ地域おこし協力隊のつながり

そんな北国街道今庄宿がある南越前町で活動している地域おこし協力隊*の中谷と、木ノ本宿がある滋賀県長浜市の地域おこし協力隊の福原の二人が、「隣同士の宿場があるから、歩いて旅できたらいいね」と話したのが、この企画の始まりです。地域おこし協力隊は、自治体に所属しているので、自治体の枠を超えるのが難しい時もありますが、今回の取り組みは上手い具合に連携することができました。

*地域おこし協力隊:総務省の制度で、都市部に住んでいる住民が、生活拠点を田舎(過疎地域)に移し、地域の資源を活用した事業を行い、町を盛り上げるというもの。全国で約5000人が活動している。

コース紹介

今庄宿に伝わる「羽根祖踊り」の一節に「今庄朝発 木ノ本泊まり 中ノ河内で昼弁当」というフレーズがあります。この歌の通りに歩いてみようというのが、コースとなりました。昨年は2コースあり、木ノ本宿と今庄宿をそれぞれ出発し、反対側の宿場に向かう40キロコース。本来だと、地図の赤線ルートの通りに行きたかったのですが、現在は国道365号線となり、車やトラックの往来が激しいので、一度、北陸道である木の芽峠まで行き、そこから栃ノ木峠まで林道を通るというルートを設定しました。
そして、今年は、「40キロ歩くのは心配だけど、歩いてみたい・・・」と言う方のために、木ノ本宿から中間地点の中ノ河内までの20キロコースを新設しました!

と、ここまではよかったのですが、、、
昨年からの度重なる台風により、ルート上の土砂崩れが修復されず・・・
新設した20キロコースのみで実施することになりました。

当日の様子

前日から心配されていた台風24号は、まだ接近していないため、強風は心配ないものの、雨が継続的に降ることは予想されました。
参加者の安全、参加への期待度、スタッフの安全等々を総合的に判断し、イベントの実施に踏み切りました。

朝7時 木ノ本駅前に全員集合。
今回は、参加者9名+歩行スタッフ3名での旅路となります。
後ろにはサポートカーがついており、看護師さんも乗っているので、安心して歩けそう。

雨の中、木ノ本宿の中を通り、歩き始めました。

雨は止まないので、歩くのは大変ですが、
ひとりではなく、みんなと歩けるので頑張れます。

街道沿いの集落にご協力いただき、集会所で休憩させてもらいました。
今も昔も、旅人が街道沿いの集落の方々に助けてもらうのは変わらぬ姿。

そして、12時15分頃
「中ノ河内で昼弁当」で、お馴染みの中ノ河内集落に到着

待っていたのは、温かいご飯とおもてなし。
昔の旅人は、ここでお昼ご飯を食べて、午後の旅路に備えたのでしょうか。
今回は20キロコースのため、ここでゴールです。

ご飯を食べた後は、この企画のポイントのひとつである「お土産交換」
昔の旅人も自分の国元の特産品を持って旅をして、
おもてなしのお礼に渡したり、他の旅人と交換したりしたのかもしれません。

今回はたどり着くことができないですが、この旅路の先にある「今庄宿」の案内を
南越前町地域おこし協力隊の北村さんからしていただきました。
歩くのは大変ですが、今なら自動車という「現代の籠」もあるので、
ぜひ遊びに来ていただければと思います!

 

ナカショー

≪ イベントを実施してみて感じたこと ≫
今回は悪天候の中、実施することになりましたが、
参加者の方が、弱音を吐くことなく、どんどん歩かれたのが印象的です。
そして、最後には「20キロ歩けたことで自信につながった」
「一人じゃなく、誰かと歩けたから、頑張れた」との感想をいただけました。
20キロと言うと、遠い遠い距離なような気がすると思います。
ひとりなら果てしない距離でも、誰かと歩くことで、 励まし、励まされ・・・
そして、街道沿いの集落の方々のサポート。 休憩場所の提供やお昼ごはんの準備。
ゴール地点では中ノ河内集落の方々が拍手で迎えてくれました。
昔、街道を歩いて旅した旅人が感じた、人の温かさは 今も変わらず、
人々の心の中に引き継がれていることを感じました。

地域まるっと体感宿 玉村屋/一般社団法人ぷらすたいむず
中谷 翔(南越前町地域おこし協力隊)

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